結婚相手に出会う方法【橋本治「結婚」からの~】
橋本治の「結婚」を読み、自分が結婚を決めたときのことを思い出したので書いてみます。
結婚しないという選択肢がある現代。(以下の「人」は女性について書いています)
何も考えなくても結婚できた、という人は、
・恋愛の勢いで結婚する
・妊娠したので結婚する
・結婚してもいいなと思ったタイミングに結婚してもいいなと思う相手が居て結婚する
のどれかだと思う。それはざっくり思い浮かべると、若いうちに結婚した人、結婚するつもりがなかったけど結婚した人、相手に困らなかった人、だと思う。
対して、この3つのきっかけが人生において起こらなかった人は、自分は「結婚しない(できない)」可能性があるのかな、と脳裏をかすめる。
では、もし結婚したいなら、どうすればいいか。
答えは・・どう生きるかを決めればいい、です。
ちなみに「結婚したい」というのは、どう生きるかを決めたことにはなっていない。わたしがそうだった。
わたしはもともと結婚願望が強くて、ずっと結婚したかった。でも、結婚したいとだけ思っていて、どう生きたいかを考えていなかった。「好きな人と結婚して子供を産んで家庭に入りたい」とだけ思っていた。彼氏は結婚のことを考えていなかったけど、いつかわたしと結婚しようと思うはず、と信じて恋愛をしてきた。
それは、「どう生きるか」ではなく「どう恋愛するか」だったのかもしれない。
わたしが結婚を決める前、わたしは別の人と恋愛中だった。凄く好きだった。
その人は結婚しない主義を掲げていて、でも相変わらずわたしは「好きな人=その人」と結婚したい、いつかわたしと結婚しようと思うはず、とそこを目指して恋愛していた。
長期戦になるかもしれなかった。そうこうしているうちにわたしは子供を産めない年齢になり、気がつけばもう誰かと恋愛結婚なんて考えられない年齢になる。そうなってから破局したり彼が死んだりしたら、彼との思い出を胸に生き続ける乙女のようなおばあちゃんになろう。生活は、わたしは刹那的な非正規社員で結婚しなくても生きていける経済力はないから、親も亡くなったら、スーパーのレジ打ちや掃除のおばちゃんなど、ほそぼそとでも一生コツコツ働いて、それでも恨みごとなどなく、清らかに乙女のように生きよう。
または、起業して、成功して、将来の経済的な不安で恋愛を諦めなくていいように、お金を稼ぐ人になる。(わたしは当時、自己啓発をしていた)それは一番輝く未来だ。ハードな道で血反吐を吐く努力と苦しみが必要だけど・・。でも、そんな輝く未来が彼との恋愛のもたらした果実になるなんて素晴らしいから、がんばろう!
仕事からの帰り道、キラキラ光る川沿いの土手道を歩きながら、そんなことをイメージして、結婚しない人生の覚悟を決めていた。今は親が家賃を払ってくれているし、時給がよくて拘束時間が少ない、手取りがいい仕事にたまたま就いている。それに、毎日歩いても飽きない、こんな気持ちのよい川のそばに住んでいる。ゴントランシェリエのパンを食べて、好きな勉強をして・・。優雅。ずっとこんなふうに生活をしていきたいな・・。優雅に生きたい。そう、わたしは優雅に生きたい。
その時、はっきりと、自分がどう生きたいかに気がついた。
清らかな乙女のようなコツコツ働くおばあちゃんになる人生は・・ゆくゆくは、もっと家賃の安い粗末なアパートに引っ越さなきゃいけないかも。経済的余裕もなく、貯金もままならなくなり、わたしは体力がないから毎日バタンキューで、本を読んだり映画を観たりっていう、文化的余裕はないんじゃないかな。。それは、いやだ・・。
お金を稼ぐ人になるとしたら、今の仕事の契約が切れる2年後までにめどをつけなければ・・。でも、正直、はかはかするのは性に合っていないんだよな。。野心も積極性も、もともと無いし。本来のわたしらしい、本来の女性らしい生き方がしたいよ、それよりも。
そして優雅に生きたい。そのためには、結婚しよう。と、決めたのでした。
誰と?①好きな彼 ②まだ見ぬ新しい人 ③元彼
そして、よりを戻そうと言ってくれていた元彼と、結婚することにしたのでした。
結婚してみて、気ままな一人暮らしとは違い、家事も後回しというわけにはいかないし、超早起きだし、一人の時間も少なくなり、別に全然「優雅」じゃない。のに、心が落ち着いている。
心が優雅。毎日 優雅に生きています。
この小説の倫子は、ある時から結婚したいと思いはじめてジタバタするんだけど、いつも「ピンとこない」。なんでピンとこなかったかというと、どう生きるかを決めてなかったから、ピンとくるはずがなかったのだ。どう生きるか、つまり、自分で自分の「生きる姿」が見えたとき、まだ相手に出会ってもいないのに、倫子は「あぁ、私は結婚できる」と思うのです。
この本の感想として、ラストが唐突とか意味がわからないというのを見かけるけど、わたしにはよくわかった。このブログを読んで、この本を読んでもらったら、もしかしたらわかるかもしれません。そしてあなたが結婚相手に出会い、自分の生きたい人生に進めましたら嬉しく思います。